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88年度に補正予算を組んで対応し、神奈川県座間市が地方交付税交付団体になるなど財政規模の小さい自治体を中心に深刻な影響をもたらした(注23)。
地方税還付に伴う財政運営上の問題に関しては、繰越控除制度の創設と還付加算金の特例によって、一定の解決が図られている。1993(平成5)年度までは地方税を還付する場合、通常は即時還付を行なうことになっており、還付が遅れた期間に応じて還付加算金を課すこととなっていた(注24)。しかし移転価格税制の適用のケースでは過去何年にもわたり遡って多額の減額更正を余儀なくされる場合もあり、国と異なり地方自治体は財政規模が小さいため、財政運営に大きな支障が生じる。また地方団体では、還付のための国税収納整理金のような制度がないため、補正予算を組まざるをえない事態が生ずることがある。このため1994(平成6)年度には、法人住民税と法人事業税に関して、移転価格税制の適用に伴う減額更正の額に係わる繰越控除制度及び還付加算金の計算の特例制度が創設された(注25)。
この新制度は(1)還付すべき金額について即時還付を行なうことをしないで、知事が行なった更正の日の属する事業年度開始の日から1年以内に開始する各事業年度の法人税額から順次控除すること(地方税法53−15)、(2)控除しきれなかった金額がある場合には、その金額を還付するが(地方税法53−20)、この場合の還付加算金の開始は当該確定申告書の提出期限の日の翌日から起算して1月を経過する日と、更正の請求があった日の翌日から1年を経過する日のいずれか遅い日からとする、というものである。
この結果、地方自治体は年度途中による補正予算による還付を行なうという事態を避けることが可能となり、若干の時間的余裕をもって移転価格税制への対応的調整が可能となった。しかし米国・内国歳入庁(IRS)が移転価格税制の執行を強化する可能性も考えられ、今後も地方財政に大きな影響を及ぼす問題

 

注23 『日本経済新聞』1987年12月2日付、1990年8月10日付、『税務経理』1987年12月8日付、1988年11月1日付、『読売新聞』1988年10月8日付、1995年1月9日付、1995年1月13日付等の記事による。
注24 更正の請求があってから3ケ月又は更正があってから1月のいずれか早い時期を起算点として還付加算金を課す(地方税法第17条4−1−1)。
注25 『改正地方税制詳解(平成6年度)』地方財務協会、227−236頁。

 

 

 

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